実録！ハギ（ウマヅラ）釣り

ＡＭ５：００に携帯のアラームをセッしていたのだが、目覚めたのは４：５７。アラームのセットを解除し、冷たい廊下を歩き洗面台へ向かった。歯を磨きながら、蛇口の水が湯になるのを待った。顔は洗ったが、髪の寝ぐせは直さなかった。ニットの帽子を耳まで被るからだ。完全に目が覚めた俺は、冷蔵庫から、数日前から仕込んであった、エサ用のエビの入ったタッパを取り出し、バッグに詰め込んだ。そして、バッグに貼られた「エビ」と書かれたメモ紙を剥がしだ。以前、このエビを忘れて出発したニガい経験があるので、防止策だ。バッグを指差し「よし！」と声を発し、着替えへ。サーモインナー上下、靴下２枚重ね、トレーナー、そして防寒ウェア。道具一式を車へ積み込み、後はぴょん太が来るのを待つだけ。とこをが、急に便意を催し、時間を気にしつつトイレへ。便座は節電時間中で冷たかった。

ぴょん太は約束の時間どおり６：００ジャストに到着。俺の車に、ぴょん太の道具とぴょん太を積み込み、船着場へ向かった。途中ファミマに寄った。ぴょん太が、グリコの白黒付けたいカフェオレを買ってくれた。

受付で半日の遊漁を料支払い、氷を１ブロック買った。氷を入れてあるビニル袋が、なんか臭かった。

出船までの時間、ハギ釣りの重要ポイントである、合わせ、をイメージをした。今日は釣るぞ！自分の気合が恥ずかしく、ふと、ぴょん太を見ると、俺とお揃いのグローブを着けていた。

７：０７出船。本来は７：００。１２人乗り合いで、遅れて来た馬鹿がいた。みんなにひと言謝るのが常識なのだろうが、そんなことはしなかった。顔をよく見ると、確かに常識知らずっぽい顔をしていた。

船が走ると、とてつもなく寒くなる。ポイントまで３０分くらいか。エンジン音の響く中、ぴょん太はプリンセス・プリンセスのＭを歌い始めた。「いつも一緒にいたかった～」と。思わず「俺もだよ～」と叫びそうになった。思えば、昔はほぼ毎日一緒にいた。２日続けて会わない日はなかった。今はお互い諸事情で週に１回程度だが、それでも１日最低１回の電話は欠かさない。どういう仲やねん。

ポイントに着いた。凪いでいた。一安心。仕掛けセット。船長が魚群探知機を見ながらレンジ（水深）を言う。２５ｍ前後。カウンター付リールの電源を入れ、仕掛けを下ろす。おおおおお！何たる悲劇。リールにバッテリーヤバしの表示が・・・。

まあ、いいか。ＰＥラインだから１０ｍごとにマーキングされている。

ハギ用ロッドは、小さな当たりでも反応できるように、先端がとてもしなやかなにできている。触感より視覚が大切。

ぴょん太が船上で１匹目をゲット。少し悔しい思い。しばらくがんばるが、魚探の反応が悪いのか、その１匹でポイント移動。１０分くらい走る。

移動後、またしても先にぴょん太がゲット。俺はリールのバッテリーが心配で集中できない。というのは言い訳。でも、もともと釣りに関してはスロースターターなため、あまり気にはしていない。だが、少し無口になっていた。

ロッドの先端がピクリと反応した。今日の俺は、ファーストタッチでの合わせでうまく乗せていない。セカンドタッチを待った。すこし大きく反応があった。今だ！ロッドを素早くしゃくった（いわゆる、合わせ）。「やったー！乗った」と胸中で叫んだ。顔は無表情。ぴょん太より随分遅れて待望の１匹目ゲット。ところがそのハギが床に落ちた瞬間内臓をぶちまけてしまった。ハギの内臓は臭い。これは周知の事実だろうか。見た目愛らしく、食すにも、煮付けよし、刺身よしのハギだが、その内臓は異常なまでの臭気を放つ。ぴょん太に臭いと怒られた。でも、悪いのはハギであって、俺じゃない。何か文句ある？お前だって船着場までの道中、何回も車中でオナラしただろ。

リールのバッテリーは何とかもっているが、表示デジタルが薄くなってきた。どうせなら最後までもつよう祈る。当たりはポツポツ。エサは取られるが、針に掛からない。イライラしはじめる。釣りもバドミントン同様、八つ当たりする場所がない。サンドウィッチを食べている人がいて、おいしそう。空腹を覚え、イライラに拍車を掛ける。

まじめにするも、調子は上がらない。気持ちは年末の太刀魚、ハマチ釣りにあった。当然ぴょん太と一緒。俺の釣行の９割はそうだ。マグロ、カツオ、カンパチ、イカ。あと両ちゃんもよく一緒に行く。

小休止しようとカフェオレを飲むことにした。ぴょん太が買ってくれたやつだ。ところが、船が揺れた時にクーラーに潰されて、裂けていた。ほのかに甘い香りが漂った。

その後は熱意の空回り。

（中略）

本日の釣果はいまいちだった。俺が６匹。ぴょん太が１０匹。ぴょん太はもっと釣ったような気がしたが、それは俺の「自分だけ釣れない妄想」のせいらしい。まあ、こんな日もあるさ。振り帰ればエサの付け方にポイントがあったのかも知れない。要勉強。

帰宅１２：３０。道具度を洗浄し、早速６匹すべて刺身にした。内蔵はやっぱり臭かった。盛り付けた皿は、夕食用へ冷蔵庫。ひと段落。

熱いシャワーを浴び、ユウちゃんに借りたＤＶＤ「銀河鉄道９９９」シリーズを観た。

夕食はハギ刺とビール（正確には第３のビール）。美味。そして今、少し酔ってる。

結論。釣りは楽しい。

そうそう、ユウちゃん。ハギ持って行くって期待させといてごめんなさい。