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2009年7月23日 (木)

ハゲタカファンド

昨日の講習中に読み終えた小説につてちょっと。

ひさびさに、おもしろい企業小説を読んだ。もともとこのジャンル(経済、企業、法律)が嫌いではない。『ジャパンバッシング』という日米貿易摩擦をテーマにしたものを、高校時代に読んだのがはじめてだったかな。

今回読み終えたのは、牛島信の『第三の買収』。よかったねー。経済、企業小説って、ストリーありきの無機質系なものと、登場人物の内心をえぐり返すドロドロ系のものとに分かれると思うんだ。あくまでも俺流の分け方だけど、どちらもそれなりに面白い。だけど『第三の買収』はちょっと違うね。見事、中間をいっている。いいとこ取りしている。後半の狭間が夏目にあてた手紙なんて、人ごとながら(小説だからあたりまえか)ジーンときちゃった。生き方が器用そうで、そうでない男。だって狭間は大日向が企業買収を決意する前からの・・・やべっ。ネタバレしちゃまずいか。

でも、この作品、文句もあるんだよ。登場人物多すぎだよね!表にしないとだめかなあって、途中は辛かった。それとこの手のジャンルの作者って、小説が本業じゃないんだろうな。だから読者のことを、気にして書いてないような気がする。気に障る箇所がいくつかあった。もっと別の上手な表現があっただろう、みたいな。

しかし、同じ講習時間中、このあと読み始めたのが北方謙三の『傷だらけのマセラッティ』なんだ。コテコテのハードボイルド。そのギャップにちょっととまどっちゃった。

あ、そういえば、北村恭介ってどうなったんだろ?何か文句ある?

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