敵味方
打合せとは名ばかりで、その無駄な雑談会、もっと悪く言えば烏合の衆会は正午すぎに終った。何人かは連れだって昼食に行くと言い、俺にも声が掛かった。俺は背中越しに軽く手を振り断った。最年少者である俺のこの態度は誰がどの角度から見てもかわいいものではない。わかってはいる。しかし、とてもじゃないが、愛想など振る舞える気分ではなかった。自分の気分に正直な態度を見せる。そんな自分が誇らしくもあったが、憎らしくもあった。もう少し人付き合いを上手にこなしたほうがいい。
でも思う。万人に嫌われない人間と、敵半分味方半分の人間ではどちらが強いか。
例えば100人で多数決をとるとしよう。万人に嫌われない人間だと、いざというとき誰も自分の意見に賛成してくれないかもしれない。だけど、半数が味方だと51人の賛同を得られるかもしれない。数の力が全てだとしたら、後者の方が有利のような気がする。もっとも、八方美人ってのは見透かされるものだ。
だけど、俺の味方は1割にもみたない。何か文句ある?
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