福袋
大晦日、娘が新聞広告を手に持ち俺のところに駆け寄ってきた。そして福袋の箇所を指差し、これがほしい!と言った。見れば遠くない店だ。よしよし、明日早い時間に連れていってやろう。やったー!娘の喜ぶ姿を見るのはいいもんだ。明日はもっと喜んでくれるだろう。
元日。その店の駐車場に車を滑り込ませると、娘は店内にかけて行く。幸い客はほとんどいない。福袋とはいえ、楽勝じゃん。ところが。
ところが、目当ての福袋がないのだ。娘の表情が曇る。開店して間もなくの店内。客はぱらぱらとしかしない。福袋は売り切れたのか?不安そうな娘と並び店員に聞く。今置いているものしか残っていません。はぁ?いつの間に売れた?うそだ。
絶対にうそだ。確信がもてた。俺らが店に着いてから店を出た客はいない。もしかしたら開店時間を早めたか?いや、ありえないだろう。そんなに人気なら、今の店内の客がぱらぱらってことはない。へーきな顔をしてうそをつく店員にキレた!
いや、キレる直前に耐えた。新年早々、キレるのはやめよう。2013年のひろやんはちょっと違う。娘を見る。彼女なりに平然をよそおっているが、父親にはその落胆がわかる。残念だったな、ごめんな。つい、悪くないのだが謝ってしまった。いいよ。娘は明るくふるまった。
貸してみろ。娘がつよく握ったままの広告を取り上げだ。近くの同じ店舗もしくは姉妹店にないだろうかと考えたからだ。商品を見てみる。んんんんんん!?
販売開始12月31日
なんじゃそりゃー!!!
大晦日に売るんかいっ!っていうかそうなの?そういうもんなの?俺はてっきり福袋って、売り手からしたら新年のご祝儀的なもので、買い手からしたら運試し的なものだと思っていた。それを大晦日にやってしまうとは。
いや待てよ、どうなんだろう、俺の認識がおかしいのかもしれない。まあ、どうでもいいや。今さら娘のほしがっていた福袋が買えるわけでもない。
ただ福袋の歴史について正月休み返上で調べてみようと思う。何か文句ある?
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「01-9 Everyday Essay 12'11~13'04」カテゴリの記事
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